男子プロが使うアイアン型ユーティリティ(アイアン型UT)。ティショットでライン出しショットなどをしている姿はカッコよく、自分も使ってみたい! と思う人は多いはず。そんなアイアン型UTについて考えた。

男子トッププロのキャディバッグを見ると、中空構造の2番、3番、4番アイアン、いわゆる「アイアン型UT」をバッグに入れている選手が多い。

中空アイアンといえば、アーニー・エルスが2002年に全英オープンを制した際にフォーティーン「HI-858」の2番アイアンをバッグに入れていたことで一躍脚光を浴びた。

その後もさまざまなメーカーから同系統のクラブが発売され、古くはプロギアの「ズームi」、その後もミズノの「MP フライハイ」やダンロップの「スリクソン Z U」など、そして最近でもピンの「クロスオーバー」やテーラーメイドの「GAPR」など、細々とではあるがその系譜は連綿と受け継がれている。

画像: アイアン型UTはプロの間で人気の高いクラブだ(撮影/野村知也)

アイアン型UTはプロの間で人気の高いクラブだ(撮影/野村知也)

こういったアイアン型UTを使う理由をツアープロに聞くと「ロングアイアンよりも球が上がりやすくてやさしい」という声が多い。中空構造にすることで従来のロングアイアンよりも重心を低く深くできるため、同ロフトのアイアンよりも球が上がりやすいのが特徴だ。

これはアマチュアにとっても「ロングアイアンの代わり」として役立つと考えていいのだろうか。

プロコーチで自身ツアープロとしても挑戦を続ける中井学に話を聞くと、「アマチュアが、アイアン型UTを“やさしいロングアイアン”と考えて、打てなくなった3、4番アイアンの代わりに使うのは、基本的にはおすすめできない」と言う。

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「アイアン型UTは、基本的には“ロングアイアンが打てる人”が、求める弾道を得るために使うクラブと考えてください。最近の低スピンボールでは、パワーがある選手でも、ロングアイアンでかつてのように落ち際がフワリと浮いてグリーンにストンと止まる球が打ちにくくなっています。簡単に言えば、従来の3、4番アイアンでは球が強くなりすぎるんです。その点、中空のアイアン型UTならそういった球を打ちやすいので、それを求めて使うツアープロがいるというのが実情です」(中井)

アイアン型UTが同ロフトのアイアンと比べて球が上がりやすいのは事実だが、ボールを上からしっかりとコンタクトできる技術と、ロフト20度前後のアイアンでも球を浮かせ、番手ごとのキャリーを打ち分けられるパワーがあって、はじめてその性能を生かせるのだと中井。

「単純に高い球を打つなら、ハイブリッドやショートウッドのほうがやさしいですが、ツアープロにとっては球が上がりすぎてコントロールしにくいと感じる人がいます。また、ハイブリッドはつかまりのいいモデルが多いですし、パワーのある人にとっては球が強すぎる場合があり、それを嫌うプロも多い。その意味では、“ロングアイアンが打てないからアイアン型UTを使う”のではなく“ハイブリッドやショートウッドが使えないからアイアン型UTを使う”という発想なんです」(中井)

画像: 左はアイアン、右はユーティリティ。ソールの幅は明らかに違う(撮影/野村知也)

左はアイアン、右はユーティリティ。ソールの幅は明らかに違う(撮影/野村知也)

実際、ツアープロの多くは風の強い日に抑えた球を打つためであったり、ハイブリッドでは球が上がりすぎる状況でボールをコントロールし「抑えるため」に使うケースが多い。よほどハイブリッドやショートウッドが苦手でどうにも当たらないという人が、ロングアイアンの代わりに少しでもキャリーの出るクラブが必要というケースを除けば、「飛ばすため」にバッグに入れるクラブではないと中井は言う。

「アマチュアの方は、構えたときの顔など、印象を重視してクラブを選ぶ人がとても多いんですが、そのせいでゴルフをむずかしくしているケースは多々あると思います。よほどのパワーヒッターか、スウィングに大きな問題がない限り、技術的な理由でアイアンは打ててハイブリッドは打てないということはありません。球の高さやキャリーの距離が欲しい人にとって、顔の印象を理由に、ハイブリッドを敬遠して3、4番のアイアン型UTを使うメリットはないと言っていいと思います。気持ち悪いと思ったクラブでも、コースでいい球が1発出れば、そんな印象は吹き飛ぶんです」(中井)

アイアン型UTは、設計意図のハッキリしたいいクラブが多く、必要とする人にとっては非常に有用だと中井は言うが、普通のアマチュアにとっては、「やさしそう」「使いやすそう」という印象だけで無暗に手を出さず、しっかりと検証してからバッグに入れるべきだろう。

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