会社員ゴルファーとして名を馳せ、プロ転向後はシニアツアーで活躍中の田村尚之プロ。オールドルーキーながら、プロの舞台でも活躍できる秘密はどこにあるのか? 自身の考え方を詰め込んだ本「田村流『あきらめる』ゴルフ」から、頑張らなくても上達する方法をご紹介しよう。

いかに気持ちよくスウィングできるかが大事

「田村さんって、面白いスウィングしますよね」って、最近よく言われます。それだけ、私が変わったスウィングをしているんですかね。でも、数年前までは、自分のスウィングが変則だという意識はまったくありませんでした。なぜなら、自分のスウィングを見たことがなかったから。たぶん、タイガー・ウッズのスウィングに似てるんじゃないかな、って思っていました(笑)。

そもそも、いまのスウィングになったきっかけは、父親の影響です。小学生のとき、サラリーマンだった父に、早くラウンドに連れて行ってほしいと言っても、ボールが曲がるうちは同伴プレーヤーに迷惑がかかるからダメだと、なかなかコースに連れて行ってもらえなかったんです。

だから、子どもなりに考えました。フェースを開いたり閉じたりしなければ、ボールは曲がらないんじゃないかって。それが、いまのスウィングを作った礎です。

とくにテークバックは、フェースがボールをずっと睨むかのように、シャットに上がります。そして、テークバックの途中で急に手やクラブが上に上がっていく。大人にとっては変則でも非力な子どもには、これが一番簡単で気持ちいいテークバックだったんです。重力がかかっているから、非力な子どもでは重いパーシモンのクラブを、スウィングプレーン上に上げられません。真上に上げるほうが楽に上がる。

画像: テークバックはフェースがボールをずっと睨むかのように、フェースの開閉をせず、シャットに上げる

テークバックはフェースがボールをずっと睨むかのように、フェースの開閉をせず、シャットに上げる

こう書くと、「なんだ、子どものときからやっているから上手いのか!」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。逆に子どもの時の感覚が邪魔をして、大人になるにつれてスウィングがバラバラになり、そのまま立ち上がれなかった選手を何人も見ています。要は、いかに気持ちよくスウィングできているか、これが大事なのです。

プロじゃないんだから、気持ちよく振れないスウィングに強制的に直す必要もない。プロだって強制的に直したスウィングでは、試合の究極の場面では役に立たないことが多いものです。どうしても「我」が出ちゃうんですね。それを克服するには、壮絶な練習量がいるはずです。

それからもうひとつ、私のスウィングの特徴は、かかと体重で遠心力を使って飛ばすことです。かかと体重で突っ立っているから、遠心力を使えて腰痛にもなりにくい。頑張らないから、いいこと尽くめなんです。

画像: 足はかかと側に付いているので、かかと体重が自然。インパクト付近では、遠心力でヘッドが引っ張られることからも体の後ろ側に重心があるほうがいい

足はかかと側に付いているので、かかと体重が自然。インパクト付近では、遠心力でヘッドが引っ張られることからも体の後ろ側に重心があるほうがいい

さて、冒頭に「私のスウィングは面白いと言われる」と言いましたが、昔から長きにわたってトップで君臨し続けたプロに、きれいなスウィングの人はいたでしょうか? こう聞くと、「そんなにいないなぁ」と、思うんじゃないでしょうか。

みなさんも、「変なスウィングだね」と言われても、自分で自分のスウィングは見えないんですから、思いつめることはありません。大切なのは、いかに気持ちよく振れるかどうか。スウィングの見た目に悩むようなら、ビデオで自分のスウィングを見ないことですよ。

「田村流『あきらめる』ゴルフ」(ゴルフダイジェスト社)より

写真/有原裕晶

This article is a sponsored article by
''.